屋根は家の中でも特に大切な部分ですが、普段なかなか意識しづらい場所でもあります。
だからこそ、「そろそろ屋根のリフォームを考えたほうがいいのかな?」と疑問に思っても、何から始めれば良いのか迷う方も多いはずです。
この記事では、屋根リフォームの基本知識から工法の特徴、費用の目安、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。

理想の住まいを守るために、まずは屋根のリフォームについて正しい知識を身につけていきましょう。
屋根リフォームとは?必要なタイミングと放置のリスク
屋根リフォームとは、屋根の劣化や破損を修復し、住宅の耐久性や美観を維持するための工事のことを指します。
屋根は雨風や紫外線、雪などの自然の影響を最も受けやすい場所なので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
屋根リフォームが必要になるサイン
- 色あせやコケ・カビの発生
- 屋根材のひび割れや欠け
- 雨漏りや雨染みの発生
- 屋根材の反りや浮き
- 築10〜20年以上での経年劣化
これらの症状が現れたら、リフォームを検討するタイミングです。特に雨漏りは放置すると建物内部の腐食やカビの原因となり、健康被害にもつながるため早めの対処が必要です。
屋根リフォームを放置するとどうなる?
放置すると、劣化が進み修理費用が高額になるだけでなく、住宅全体の耐久性が下がってしまいます。さらに、雨漏りによる内部の腐食が進むと、大規模な補修工事や建て替えが必要になることもあります。
屋根リフォームの種類と工法の違い
屋根リフォームには主に以下の3つの工法があります。それぞれの特徴や適したケースを理解することが、後悔しないリフォーム選びのポイントです。
工法 | 特徴 |
重ね葺き(カバー工法) | 既存の屋根に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。 |
葺き替え工法 | 既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に取り替える方法です。 |
部分補修 | 屋根の一部に不具合がある場合に、必要な箇所だけ補修する工法です。 |
工法別の費用相場と内訳
屋根リフォームの費用は工法や使用する材料、屋根の大きさによって大きく変わります。ここでは代表的な工法ごとの費用相場と、見積もりに含まれる主な内訳について解説します。
工法別の費用相場(30坪の一軒家の場合)
重ね葺き(カバー工法)
約60万円〜120万円
※既存屋根を撤去しないため比較的安価で工期も短い。
葺き替え工法
約100万円〜200万円
※既存屋根の撤去費用や廃材処理費がかかる分、費用が高め。
部分補修
約30万円〜70万円
※状態によるが、リフォームの中では最も費用が抑えられる
費用の主な内訳
材料費
屋根材の種類やグレードによって異なる。耐久性やデザインも価格に影響。
施工費
職人の技術料や作業時間、足場の設置・解体費などが含まれる。
足場代
安全な作業のために足場を組む費用。一般的に10万〜20万円程度。
廃材処理費
葺き替えの場合、古い屋根材の撤去と処分にかかる費用。
その他費用
点検費用や諸経費、補助金申請手続き費用などがある場合も……。
予算の立て方のポイント
複数業者から見積もりを取る
内容を比較して相場感を掴むことが重要。
補助金・助成金の活用を検討する
自治体によっては省エネリフォームや耐震補強などの補助が受けられる場合がある。
緊急度に応じて工法を選ぶ
急ぎの場合はカバー工法、時間と予算に余裕があれば葺き替えを検討するなど、緊急度に応じて柔軟に工法を検討しましょう。
費用面をしっかり理解することで、無理のない計画を立てられます。次の章では工法ごとのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
屋根リフォームのメリットデメリット
屋根リフォームは、住まいの快適さや安全性を守るために欠かせない工事ですが、工法ごとにメリット・デメリットがあります。ここでは代表的な工法ごとの特徴を押さえ、適切な選択をサポートします。
重ね葺き(カバー工法)のメリットデメリット
メリット
- 工期が短く、施工中の負担が少ない
- 既存屋根の撤去が不要なので廃材処理費用を抑えられる
- 二重屋根構造で断熱性や防音性が向上する場合もある
デメリット
- 屋根の重量が増すため、建物の構造によっては施工不可のことがある
- 既存屋根の劣化が激しい場合、問題を見落とす可能性がある
葺き替え工法のメリットデメリット
メリット
- 屋根の下地からしっかり補修できるため耐久性が高い
- 軽量の屋根材に替えることで建物への負担を軽減できる
- 長期的な視点で見れば安心感が大きい
デメリット
- 費用と工期がカバー工法より高く長くなる
- 廃材の処理が必要で、環境負荷がやや大きい
部分補修のメリットデメリット
メリット
- リフォーム費用が抑えられ、美観も回復する
- 定期的なメンテナンスとして手軽に実施できる
デメリット
- 屋根材の劣化が進んでいる場合、塗装だけでは根本的な解決にならないことがある
- 塗膜の寿命は約5〜10年で、定期的な塗り直しが必要
リフォーム工法ごとにメリット・デメリットを理解し、自宅の状態や予算、ライフスタイルに合った選択をしましょう。
次の章では、失敗しないための注意点を詳しく解説します。
屋根リフォームで失敗しないための注意点
屋根リフォームは大きな費用がかかるため、後悔しないためにもポイントを押さえて慎重に進めることが重要です。ここでは失敗を防ぐための具体的な注意点を紹介します。
信頼できる業者選びを最優先に
- 複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較する
- 口コミや施工実績をチェックし、悪質な業者を避ける
- 契約前に工事内容や保証、アフターサービスの確認をする
見積もり内容をしっかり確認する
- 材料費・施工費・足場代・廃材処理費などの内訳が明確か確認
- 不明点は必ず質問し、曖昧な部分を残さない
- あまりに安すぎる見積もりは品質の低下や追加費用のリスクあり
屋根の現状を正確に把握する
- 劣化具合を専門家にしっかり診断してもらう
- 雨漏りや下地の腐食がないか重点的にチェック
- 劣化の原因や今後のメンテナンス計画も確認する
契約書や保証書は必ず確認・保管する
- 工事の範囲や費用、保証内容が書かれた書類を受け取る
- 施工後のトラブル時に役立つので大切に保管する
これらのポイントを押さえれば、屋根リフォームでの失敗リスクを大幅に減らすことができます。
さいごに
屋根リフォームは、住まいの安全性や快適性を維持するために重要なメンテナンスです。工法や費用、メリット・デメリットをしっかり理解した上で、自分の家の状態や予算に合った最適な方法を選ぶことが大切です。
信頼できる業者を選び、見積もり内容をしっかり確認することで、トラブルを避けて安心して工事を進められます。また、定期的な点検やメンテナンスも長持ちさせるポイントです。
今回のポイントを参考に、満足のいく屋根リフォームを実現してください。