外構工事を検討している方にとって、費用がどれくらいかかるのかは大きな関心事ですよね。

家の外観を左右する外構工事は、その設計や素材選び、施工場所によって費用が大きく変わります。

本記事では、外構工事の費用を詳しく解説し、価格帯別の施工例や費用を抑えるコツ、失敗しないためのポイントなど、外構工事のプラン選びに役立つ情報をお届けします。

外構工事とは？

外構工事とは、住宅の外部に関する工事全般を指します。

具体的には、エントランス、駐車場、庭、フェンス、門扉、カーポート、ウッドデッキ、植栽などの整備が含まれます。これらの工事は、住宅の見た目を美しくするだけでなく、プライバシーの保護や安全性の向上、生活の利便性を高める役割も果たします。

外構工事の費用相場

外構工事の費用は工事内容によって異なりますが、一般的に50万円から300万円が目安です。家の敷地の広さ、素材、デザインの複雑さによって変わります。大規模なリノベーションは300万円以上になることもありますが、簡単な工事は数十万円で済むこともあります。地域や工事内容によって費用が変動するため、事前に複数の業者から見積もりを取りましょう。外構工事の費用は住宅本体価格の約10％を目安にすると良いでしょう。

外構工事の費用の内訳

外構工事の費用は、主に材料費、施工費、人件費の3つに分けられます。それぞれの内訳について詳しく見ていきましょう。

1．材料費

材料費は、外構工事の総費用の中で大きな割合を占めます。選ぶ素材によって費用は大きく変動します。

例えば、コンクリートやタイル、石材などの高級素材を選ぶと費用は上がりますが、砂利やレンガなどの比較的安価な素材を選ぶと費用を抑えられる傾向があります。

2．施工費

施工費には、専門知識を持つ職人による作業の対価が含まれており、たとえば複雑なデザインの庭や門の設計には、それなりの技術と時間が必要です。そのため、シンプルなデザインに比べて高額になります。

3．人件費

人件費は、施工に携わる作業員の人数や作業日数に応じて決まります。工事期間が長引くほど、人件費も増えることになります。

また、地域によって人件費の相場が異なるため、都市部での工事は人件費が高くなる傾向があります。

費用に影響する主な要因

外構工事の費用はさまざまな要因によって変動します。ここでは、費用に大きく影響する主な要因について説明します。

1．工事範囲と規模

工事の範囲と規模も費用に大きな影響を与えます。例えば、駐車場や庭全体のリフォームなど、広範囲にわたる工事は当然ながら費用が高くなります。

部分的な工事であれば費用を抑えられるものの、全体的な統一感を持たせるために複数の箇所を一度に施工するケースも多いため、その際は費用が大きくなることを考慮する必要があります。

2．選ぶ素材やデザイン

外構工事で選ぶ素材やデザインは、費用を大きく左右します。高級感のある天然石や、耐久性の高い特殊なタイルを使用する場合、材料費が増加します。

また、デザインが複雑であれば、その分施工に手間がかかり、施工費も上がることがあります。

3．季節と施工時期

業者の繁忙期である春や秋は、需要が高まるため工事費用が高くなる傾向があります。一方、オフシーズンであれば、比較的費用を抑えられる場合もあるため、工事のタイミングを検討することも重要です。

外構工事の種類と費用

外構工事にはさまざまな種類があり、それぞれの工事内容や規模によって費用が異なります。ここでは、代表的な外構工事の種類とその費用例について説明します。

1．駐車場の設置

駐車場の設置は、外構工事の中でも一般的な工事の一つです。駐車場の広さや材質によって費用は変わります。

• アスファルト舗装：約50万円〜150万円
• コンクリート舗装：約80万円〜200万円 

2．フェンスの設置

フェンスは、プライバシーを保つためや、境界を明確にするために設置されます。素材や高さ、デザインによって費用が異なります。

• 木製フェンス：約30万円〜80万円
• アルミフェンス：約40万円〜100万円
• ブロックフェンス：約60万円〜150万円 

3．アプローチの整備

アプローチとは、玄関までの通路部分のことを指します。素材やデザインに応じて費用が異なります。

• 石畳アプローチ：約60万円〜120万円
• レンガアプローチ：約50万円〜100万円 

4．門扉の設置

門扉は、家の入り口を飾る重要な要素で、セキュリティの役割も果たします。

• 鉄製門扉：約30万円〜70万円
• 木製門扉：約40万円〜80万円 

外構費用の目安：住宅本体の10％という考え方

外構工事の予算を考える際の一般的な目安として、外構工事にかける予算は住宅本体の価格の約10％程度にすると良いとされています。

具体的にどういうことなのか、以下で詳しく解説します。

1．住宅本体価格との関係

住宅本体価格の10％を外構工事に充てるという考え方は、住宅購入時における外構工事の一般的な予算の目安です。

例えば、住宅本体価格が3000万円の場合、外構工事の予算としては300万円程度を見込むと良いとされています。

2．外構工事の重要性

外構工事は、住宅の外観や使い勝手に大きな影響を与えるため、適切な予算配分が重要です。

外構工事には駐車場や庭、フェンス、アプローチなどが含まれ、これらは住宅の第一印象を決定づける要素でもあります。十分な予算を確保することで、機能性とデザイン性を両立させた外構が実現できます。

3．予算配分の考え方

外構工事の予算を住宅本体価格の10％に設定する際は、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

• 工事の優先順位：どの部分に最も力を入れたいかを決定し、その部分に予算を多く配分する。
• 長期的な維持費用：外構工事の費用だけでなく、維持管理にかかる費用も考慮する。

4．予算オーバーの対策

予算を設定する際には、万が一予算を超える可能性も考えておくと良いでしょう。予算オーバーを防ぐためには、以下の対策が有効です。

• 複数の業者から見積もりを取る：見積もりを比較することで、適正価格での工事を実現しやすくなります。
• 優先順位を明確にする：必要な工事と希望する工事を分け、予算内で最も重要な部分を優先する。

オープン外構とクローズ外構の違い

外構のデザインには、オープン外構とクローズ外構という二つの主要なスタイルがあります。
それぞれの特徴や利点、欠点を理解することで、自分のライフスタイルやニーズに合った外構を選ぶことができます。

1．オープン外構

特徴：オープン外構は、家の外観と庭がオープンで開放的なデザインです。通常、フェンスや壁で囲まれておらず、敷地と外部との境界が曖昧なスタイルです。

利点：

• 開放感がある: 庭や駐車場が外から見えるため、広々とした印象を与えます。家全体のデザインが一体感を持ちやすく、自然とのつながりを感じやすいです。
• 日光が充分に当たる: 障害物が少ないため、日光が充分に当たり、植物の育成や庭の利用がしやすくなります。

欠点：

• プライバシーが確保しづらい：外からの視線が入りやすく、プライバシーが保ちにくいです。特に都市部や住宅密集地では、周囲の目が気になることがあります。
• セキュリティが弱い：フェンスや壁がないため、防犯面での配慮が必要です。侵入者に対しての対策が薄くなることがあります。

2．クローズ外構

特徴：クローズ外構は、敷地全体が囲まれて閉じられたデザインで、フェンスや壁などで囲まれていることが特徴です。プライバシーとセキュリティを重視したスタイルです。

利点：

• プライバシーが保たれる：高いフェンスや壁で囲まれているため、外からの視線を遮断しやすく、プライバシーが確保されます。
• セキュリティが強化される：防犯対策が施されているため、侵入者の侵入を防ぎやすく、安全性が高まります。

欠点：

• 閉塞感がある：囲まれているため、空間が狭く感じることがあります。特に高いフェンスや壁で囲まれると、圧迫感を感じることがあります。
• 日光や風の通りが制限される：フェンスや壁が影を作り、日光や風の通りが制限されることがあります。植物の育成や庭の使用に影響を与えることがあります。

3．選び方のポイント

都市部や住宅密集地ではクローズ外構がプライバシーやセキュリティの確保に適していますが、広い敷地や自然豊かな地域ではオープン外構がより合います。お住まいの地域や環境に適したデザインを選びましょう。

費用を抑えるためのポイント

外構工事の費用を抑えるためには、いくつかの工夫やポイントがあります。以下の方法を参考にすることで、予算内で満足のいく外構工事を実現できるでしょう。

1．素材の選定に工夫する

外構工事の素材選びは、費用に大きく影響します。高級な素材を選ぶとその分費用が増しますが、コストパフォーマンスの良い素材を選ぶことで費用を抑えることができます。

例えば、コンクリートやレンガは比較的安価で耐久性もあり、見た目も良いです。一方、天然石などの高級素材は、見た目も良く耐久性も高いのですが、費用も高くなります。

2．DIYを取り入れる

一部の作業を自分で行うことで、施工費を大幅に削減できます。例えば、フェンスの設置や簡単な植栽作業などはDIYで対応することが可能です。

ただし、DIYを行う際は、作業の難易度や必要な道具、時間などを考慮し、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

3．シンプルなデザインを選ぶ

複雑なデザインや多くの装飾を施した外構は、その分施工費が高くなります。シンプルで機能的なデザインを選ぶことで、コストを抑えることができます。

シンプルなデザインでも、素材や色合いで工夫を凝らせば、十分に魅力的な外構を実現できます。

4．複数の業者から見積もりを取る

外構工事の費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。業者によって提案される価格やサービス内容が異なるため、比較検討することで、より良い条件での工事が実現できます。

見積もりを取る際は、内容が明確であることを確認し、隠れた費用がないかもチェックしましょう。

5．施工時期を考慮する

外構工事の施工時期によって費用が変わることがあります。繁忙期には費用が高くなる場合があるため、オフシーズンや工事が比較的空いている時期に施工を依頼することで、コストを抑えることができます。

また、天候や季節によって施工の難易度が変わることもあるため、適切な時期を選ぶことが重要です。

6．必要な工事を明確にする

外構工事のプランを立てる際には、必要な工事を明確にし、優先順位をつけることが大切です。すぐに必要な工事と、後回しにできる工事を分けて予算を設定し、無理のない範囲で工事を進めることで、無駄な費用を削減できます。

外構工事を失敗しないためのポイント

外構工事を成功させるためには、事前の準備や施工後のフォローが重要です。以下のポイントに注意することで、満足のいく外構工事を実現し、失敗を防ぐことができます。

1．事前に計画を立てる

どんなデザインや機能が必要かを決めましょう。庭のレイアウトや素材、予算を明確にし、図面やイメージボードを作ると、業者との打ち合わせがスムーズです。

2．適切な業者選び

信頼できる業者を選ぶために、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。契約書をしっかり読んで、工事の範囲、費用、補償内容を理解しましょう。不明点があれば業者に質問し、納得してから契約を結びましょう。

3．工事の進行状況を確認する

工事が進む間は、現場を定期的に確認して進捗や品質をチェックしましょう。問題があれば早めに対応すると、後のトラブルを防げます。

さいごに

外構工事は、家の顔となる大切な工事です。費用やデザイン、業者選びなど、事前にしっかりと計画することで、満足のいく外構工事が実現できます。この記事では、外構工事の基礎知識をわかりやすく解説しました。ぜひ参考にしてください。